中国や明治前の日本などで、焚香料(香を焚く)、香辛料(飲食物に用いる)などの薬物の総称です。
植物の樹脂からとれる沈香、安息香、没薬、乳香。材からとれる白檀。皮や根からとれる肉桂。花からとれる丁香。果実からとれる胡椒などがある。ほかにもマッコウクジラの分泌物、ジャコウジカ、ジャコウネコの生殖腺分泌物も含まれます。
『世界大百科事典 』より
香薬の伝来
香薬は奈良時代に仏教とともに薬として伝来しました。
中国・唐の高僧、鑑真和上は日本に仏教の戒律(規律)を伝えるために渡航され、その時に中国医学の薬を持参し医学の知識、処方を日本へ伝授しました。
のちに薬の効能、調合技術は日本漢方となり、その一方で日本独自の香文化としても発展していきました。香薬は日本の漢方や香文化にも大きな影響をあたえました。