漢方アロマペアリング調和する

心身ケアの香り

好きな香りが身近にあると心身がリラックスして心地よくなります。
「香りを楽しむ」そこにプラスして「自分をいたわる香り」を漢方スタイルのアロマテラピーで見つけるのはいかがでしょうか。
香薬を用いたケアの魅力は、自分の肉体と精神の状態を自分で認識して、香りで対応できるところにあります。

では香りを放つ植物たちに焦点をあてた香薬療法とはどのようなものなのでしょうか?

中医学と漢方東洋の叡智

香方1

「中医学の基礎」「漢方の薬性理論」を知る

植物のもつ「香り」が肉体に働きかける仕組みを中医学と漢方の知識を得ることで、心身の状況に応じた「香り」を選択できるようにします

植物は古来より栄養源としての食、病気の予防と治療、宗教の儀式など、人々の暮らしに深く根付いています。なかでも中医学や漢方の治療に用いる薬の中には「気」に働きかける植物が数多くみられます。

例えば「香」の字をもつ生薬の木香・丁香・沈香・茴香は気をめぐらす「行気薬」として使います。また芳しい香りを放つ、シソ科の薄荷・紫蘇、セリ科の茴香・当帰の生薬たちは心身ストレスの緩和に使用されてきました。

これらは東洋の叡智が教えてくれます。

医食同源・医香同源本草学

香方 2

食薬香の関係を知る

食、薬、香は密接な関係があります。
医食同源とは「食べるものと、薬になるものの源は同じ」あるいは「医薬の知識と飲食の知識の起源は同じ」という意味です。そのため漢方や薬膳の知識である薬性理論は、生薬だけでなく食材にも適用します。

薬性理論で効能を知る

薬性理論とは薬の性質、効能、運用法則に関する理論で、四気、五味、昇降浮沈、補寫、帰経で表します。

四気 寒、熱、温、涼
五味 酸、苦、甘、辛、鹹
昇降浮沈 薬物の方向性を表す
補寫 補う・寫す
帰経 五臓のどこに働くか

香薬もこの理論をもちいて心身を調えます。

薬膳の智慧香りのお茶を飲む

香方 3

「薬膳の基礎」「香茶(薬膳茶)」を知る

自分の体質をチェックシートで理解してから、体質別のお茶、さらに美容を意識した香薬を選んで香りのお茶で内側から調えます。

ではどのように素材を選ぶのでしょうか?
例えば身体に冷えを感じるときは「寒邪」を受けやすい状態になっています。寒邪は温める力を阻害するので身体が冷えを感じます。そんな時は寒邪を散らしたり温めたりします。

温める香茶
馴染のある香辛料(スパイス)を使います
基本:温める香りの食材
代表:シナモン、クローブ、ジンジャー

精神的にウツウツ、イライラしてしまう時はどのような素材を選ぶのでしょうか?
人はストレスやプレッシャーがかかると気の流れが滞ります。すると閉塞感、気分の落ち込み、イライラなどがあらわれます。そんな時は、鬱積を解く「解鬱」または気の流れを促す「理気」の素材を選びます。

巡る香茶
薬膳では開花した花ではなく「蕾」を使います
基本:気をととのえる香りの食材
代表:ローズの蕾、ジャスミンの蕾

蕾の開花するエネルギー、開く、動かす。すなわち蕾の花開くエネルギーで閉塞感を解く、蕾の動くエネルギーで気の流れを促すなどの効果を身体の内側から発揮させます。
この独特な視点は薬膳の面白さでもあります。

嗅覚の刺激植物のエッセンス

香方 4

植物エネルギーを塗る、吸う、嗅ぐ

中医学、漢方の歴史では服用(飲む)だけでなく、外用(塗る)、吸入(かぐ)も用いられてきました。

それらを応用し樹木、花、果実、根から採取した精油を吸入、マッサージ、入浴時、手足浴などに用いる芳香療法を実践し、生活の中で使いやすい形状にすることで、身近な自然療法(補助療法)として役立てます。

植物たちは部位により特徴的な働きを見出すことができます。

【花・葉・果実】
即効性がある
香りを放つ時間が短い
浸透性が弱い
散布する範囲が狭い
覚醒、眠気を覚ます
【根、幹】
ゆっくり効く
香りを放つ時間が長い
浸透力が強い
散布する範囲が広い
安神、鎮静する

植物のエネルギーをもちいて自然に水がしみこむように、ゆっくり穏やかに心身を調えます

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