乳香(フランキンセンス)の香りを覚えたのはコーヒー発祥の地といわれるエチオピアのコーヒーセレモニー。客人を歓待するエチオピアの伝統的な儀式です。 コーヒーが振る舞われるまで時間はかかりますが五感を存分に刺激する。
乳香の煙は邪気を払い、良いエネルギーを引き寄せる
エチオピアのコーヒーセレモニー
鍋に入った生豆を洗うところからはじまり時間をかけて焙煎されていく豆姿をのんびり眺めます。だんだんと黒く光沢を纏ってきた豆を臼に入れて杵で砕くと、深みのある独特の芳香が波紋のように広がり、香りの幸福感も味わいます。

エチオピア大使館で体験
コーヒーセレモニー
・生豆をあらう
・乳香を焚く
・焙煎する
・焙煎豆の香りを楽しむ
・臼に入れて杵で砕く
・素焼きのポットで湯を沸かす
・砕いたコーヒーをポットに入れ煮出す
・一煎目は健康
・二煎目は愛
・一煎目は祝福
すべてを手作業でおこなう光景はなかなか見る機会はありません。乳香が焚かれ、心を込めて淹れてくれたコーヒーを飲みながら語り合う。五感の幸福パレードに満たされるエチオピアのコーヒーセレモニー。
神聖な空間をつくる「乳香」
乳香はカンラン科のトゲのない樹木の幹から浸出する樹脂。
主な産地は北アフリカのエチオピア、ソマリア、中東地方が有名です。乳香は薫じるとススをあげたあと白い煙が立ち昇り、この煙とともに甘い香りが運ばれます。
真のインセンス「乳香」
乳香は人々の願いを天上の神に届ける役目として祭壇で焚かれる極めて重要な薫香料で、別名フランキンセンス(frankincense)とも呼ばれます。
フランス語のfranc(真正の)encense(香を焚く煙)が由縁で「真のインセンス」であり乳香は神への象徴として考えられていました。
スピリチュアルな空間へ
コーヒーセレモニーでは、乳香が惜しみなく焚かれます。香炉へと絶え間なく乳香がくべられるたびに、白く立ち上る煙は空間を満たし、まるで聖なるヴェールが降りたような感覚に包まれる。その香煙は、場を浄め、邪気を払い、空間全体がひとつの儀式の場と化していきます。
実際には煙の激しさで…ケホン、ケホン(体内の邪気がでていく?)そしてテンションが高くなりすぎました。
乳香は外科、傷を癒す要薬でもある
薬では活血(かっけつ)の効能をもつため、血の滞り、打ち身などで不自然になった肌を回復させる働きをもちます。内服、外用ともに使われますが肌をなめらかにし、痛みをとめる外用薬として使用することが多いです。
一般的には乳香のエッセンスをオイルにとかし香油として使うのが良いかと思います。